LC/MS/MSは、液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析法(MS)を組み合わせた分析手法です。LCは、物質を分離する手法で、MSは物質の分子量ごとのイオンの数を測定する方法です。LC/MS/MSは、物質を分離した後に、その物質の分子量を選択的に測定することができます。水道や環境、医薬品、食品などの分野で活用されています。
平成理研では世界最高感度のWaters 社製LC/MS/MS XevoTQAbsoluteをはじめ、5台のLC/MS/MSがあります。
ガスクロマトグラフィー(GC)は、物質を分離する手法です。物質を気体にしてカラムに通すことで、成分ごとに分離することができます。質量分析法(MS)は、物質の分子量を測定する手法です。物質をイオン化してから、そのイオンの重さを測定します。GC/MS/MSは、これら2つの手法を組み合わせたものです。まずガスクロマトグラフィーで物質を分離し、その後に質量分析法で分離された成分の重さを測定します。
平成理研では、GC/MS、GC/MS/MSを10台以上所有し、試料水中の揮発性有機塩素化合物(VOC)や食品中の残留農薬の測定など幅広い分析に活用しています。
エネルギー分散型蛍光エックス線分析(EDX)は、物質の成分を調べるための分析手法の一つです。物質にX線を照射すると、蛍光X線が発生します。この蛍光X線には、元素特有のエネルギーが含まれています。EDXでは、この蛍光X線を検出し、そのエネルギーを測定することで、物質中に含まれる元素を特定することができます。EDXは、非破壊であり、多元素同時かつ前処理不要で粉末、液体、固体試料中の元素分析や元素分布を容易に測定することが可能です。製品の異常やクレーム品の解析などに活用しています。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IT)は、物質の成分を調べるための分析装置の一つです。FT-ITは、物質に赤外光を照射し、透過または反射した光量を波長(波数)に対してプロットしたグラフである赤外スペクトルを測定することで、物質中に含まれる元素や官能基を特定することができます。
FT-ITは、汎用性が高く、操作が容易なことから、世界中のラボにおいて重要な分析法となっています。最小限のサンプル前処理で定性および定量情報がすばやく得られるのも、大きな特長です。
EDX同様に微小な異物や製品クレームなどの解析に活用しています。
ICP/MSは、アルゴンガスに高周波電力を印加して生成した高温のプラズマをイオン源に用いる元素分析の手法です。液体試料を霧状にしてプラズマに導入すると、試料中の元素が原子化、イオン化されます。その後、質量分析計によってイオン化された元素を分離、検出することができます。ICP/MSは極めて感度が高く、微量元素分析に適した装置であり、医療や食品、環境などの分野で活用されています。
平成理研では、水道水中の微量金属の測定に活用しています。